オーバーローンとは、借り入れの対象となるものの価格(価値)に対して、ローンの借入額や残高が上回っている状態を指します。主に住宅ローンや自動車ローンで使われる言葉です。
住宅ローンでは、以下のようなケースがオーバーローンに該当します。
オーバーローンのケース
購入時に物件価格以上の金額を借り入れる場合
住宅を購入する際、物件そのものの価格だけでなく、登記費用や手数料、税金といった諸費用も含めてローンを組むことがあります。この諸費用を含めた借入額が、物件価格を上回る状態を指します。
かつては頭金を用意するのが一般的でしたが、近年は諸費用ローンなども含めてフルに近い、あるいは物件価格を超える借り入れ(オーバーローン)もみられます。
ローン残高が対象資産の現在の価値を上回っている場合
住宅ローンの返済が進む一方で、購入した住宅の市場価値が下落し、その時点での売却予想価格よりもローン残高の方が多くなってしまった状態です。
フルローンとの違い
「フルローン」は、物件価格の全額を借り入れることを指します。この場合、諸費用は自己資金でまかなうのが一般的です。
一方、オーバーローンは物件価格に加えて諸費用なども含めて借り入れるため、借入額が物件価格を上回る点が異なります。
オーバーローンの背景
近年、住宅ローン金利の低下などを背景に、自己資金(頭金や諸費用)を抑えて住宅を購入するためにオーバーローンを利用するケースが増えています。
オーバーローンの注意点
オーバーローンには、以下のような注意点やリスクが伴います。
月々の返済額や総利息額が増加する
借入額が大きくなるため、当然ながら月々の返済額が増え、完済までの総利息額も増加します。
売却が困難になる可能性がある
資産の価値よりもローン残高が多い状態のため、売却してもローンを完済できない可能性があります。
住み替えなどで現在の資産を売却してローンを清算しようとする際に問題となることがあります。
審査が厳しくなる傾向がある
金融機関にとって、物件価格以上の金額を融資することはリスクが高くなるため、フルローンと比べて審査が厳しくなることがあります。
住宅ローンの借り換えを利用する際に、悪影響が出ます。
住宅ローンの借り換え
住宅ローンの借り換えとは、現在借り入れている住宅ローンを別の金融機関で新たに借り入れ、その資金で元の住宅ローンを一括返済することを指します。
これは、より有利な金利や条件のローンに乗り換えることで、返済負担を軽減したり、返済計画を見直したりすることを目的とします。